もくじ
映画『RE:LIFE~リライフ』を見て
こんにちは映画大好きヤンヤンです。
録画しておいた映画『RE:LIFE~リライフ』を見終わりました。
主演は『ノッティングヒルの恋人』『ブリジットジョーンズの日記』でお馴染みのヒュー・グラント。
両作品とも面白かったし、予告編を見た限りは良さそうだったので期待していました。
これから映画の感想を書いていこうと思います。
この記事では、公開日、キャストやスタッフ、上映時間、あらすじ、感想などが書いてあります。
- 『RE:LIFE~リライフ』を「まだ見たことない!」という人や、「見るかどうか迷ってるよ!」という人に向けて、判断の参考になればと考えています。
- また『RE:LIFE~リライフ』は「もう見たよ!」という人とは、映画の感想を共有できればと考えています。
記事を最後まで読んで貰えたらうれしいです。
基本情報
- 上映時間:107分
- 公開日:2014年06月15日
主なスタッフ
- 監督・脚本:マーク・ローレンス
- 音楽:クライド・ローレンス
主なキャスト
- キース・マイケルズ 役/ヒュー・グラント
大昔に『間違いの楽園』でアカデミー賞 脚本賞に輝く。しかし後が続かず(3本書いて、共同脚本も1本書いてる)妻子にも逃げられ、経済苦からビンガムトン大学で講師をすることに。
- ホリー・カーペンター 役/マリサ・トメイ
大学の売店とレストランで働きながら二人の子供を育てるシングルマザー。大学に復学し、『間違いの楽園』のファンで、キースに押しかけてシナリオコースを受講する。
- カレン・ギャブニー 役/ベラ・ヒースコート
彼のシナリオコースを受講している女子学生。赴任早々キースと意気投合し、キースの新居で一夜を過ごす。
- クレム 役/スティーヴン・カプラン
彼のシナリオコースを受講している男子学生。キースが嫉妬するほど才能に恵まれている。
- ハロルド・ラーナー学科長 役/J・K・シモンズ
ビンガムトン大学の英文科の学科長。妻と4人の娘がベジタリアンになって、家で肉を食べさせてもらいない。「海兵隊上がりだから」が口癖。
- ジム・ハーパー教授 役/クリス・エリオット
キースの向かいに住む同僚の教授。専門はシェイクスピア。キースは何かと相談に乗ってもらう。ヘンリー4世と言う犬を飼っている。
- メアリー・ウェルドン教授 役/アリソン・ジャネイ
専門は比較文学。英国人の女性作家、ジェーン・オースティンを敬愛する。とても権威のアルバイト教授で、学科長のラーナーも一目置いている。
あらすじ
若くしてアカデミー脚本賞を受賞した脚本家のキースは、その後15年間、全くヒット作に恵まれず、いつしかハリウッドで居場所を失っていた。
遂には、家の電気を止められてしまうはめに。
そんな彼に唯一残された道は、田舎(ニューヨーク州ビンガムトン)のビンガムトン大学で、脚本家志望の学生たちの講師になるというものだった…
<ネタバレ>↓
ビンガムトンへ
渋々この仕事を引き受けたキースは、就任早々女子学生と一晩を共にしたり、受講生を顔で選んだり、初日の講義を5分で終え、1ヶ月休講にしたり、好き勝手に振る舞い、全くやる気を見せようとはしなかった。
教員の懇親会でも、同僚のメアリーに、女性蔑視めいたブラックジョークをかまし、彼女と周囲を呆れさせる。
メアリーから「セクハラされた」と訴えられたとラーナー学科長から聞いたキースは、「彼女を敵に回すとクビもあり得る」と助言を受けて、メアリーに謝罪と贈り物をして機嫌を取ろうとする。
メアリーも渋々受け入れて、もう一度チャンスが貰えることに。
講師デビュー
教壇に立ったものの、「脚本の書き方は教えられない」が信条のキース。
何を教えて良いのか分からない。
しかしホリーのサポートを受けて何とか授業の体裁を整える。
一方「学生との交際は禁じるという規則」を知ったキースは、カレンと距離を置こうとして、カレンギクシャクし始める。
講師として精力的に向き合い始めたキースは、学生たちの脚本にかける真摯な思いに触れ、いつしか自身も失いかけていた情熱を取り戻していく。
『間違いの楽園2』の脚本を書いてエージェントに送ってみるが、いい返事は貰えなかった。
代わりに、一緒に送った学生クレムの脚本はべた褒めされる。
失職の危機
そんな折、メアリーがとキースとカレンとの関係を問題視し、このまま学校を辞めれば良いが、そうでなければ審問会に掛けられる事に。
キースは大学を辞めたくないと考えていたが、審問会の様子がネットに流れ、息子に知られるのを恐れていた。
ホーリーに、メアリーに謝罪するように促されるが、どうせ無理だと決めつけて、断固拒否する。
ホーリーの所からの帰り道、車窓から何かの騒ぎを認める。
それは、キースの講義を受けていた男子学生が、飲めない酒を無理して飲んで、急性アルコール中毒で運ばれる所だった。
その学生はスターウォーズオタクで、一人でいるとスターウォーズの事ばかり考えてしまい、書く脚本がスターウォーズのコピーから抜け出せず悩んでいた。
世界を広げるために、パリピのサークルに入ることをキースに相談していて、キースも軽い気持ちで賛同していた。
幸い大事には至らず、キースも安堵する。
病室で家族が抱き合う姿と眺めながら、息子の事を思い出していた。
翌日(?)のクラスでは、男子学生の話で持ち切りの中、キースは学生たちに町を出ていき、大学を辞める事を告げる。
そして最後の授業を終えると、エージェントから電話が掛かる。
制作会社がクレムの脚本を買いたいから、今夜マンハッタンでクレムと会いたいらしい。
そしてキースのプロデュースにもほぼ同意して、クレジットに名前を入れてくれるらしい。
これでハリウッドに復帰できるとキースは大喜び。
意気揚々とクレムを連れてマンハッタンへ。
マンハッタンでの決断
しかし、制作会社はクレムに夢中で、目の前に座る自分の事は眼中になく、キースは居心地の悪さを感じてしまう。
制作会社がクレムをひたすら褒めちぎるを聞きながら、過去に自分も同じように持ち上げられ、その後手のひらを返されたことを思い出し、映画界に嫌気がさしてしまう。
キースはクレムの成功を確信して、クレムを一人残し、ビンガムトンへ戻ることに。
直談判
その足で、ラーナーの家を訪ね、まだ間に合うなら審問会を受けたいと告げる。
そしてその前にメアリーと会いたいから、間を取り持って欲しいと懇願する。
メアリーとの面会当日、「学生との交際は禁じるという規則を知らなかった」「それを知ってすぐ分かれた」とメアリーに謝罪するキース。
そして、「始めは教師をバカにしてたけど、今では人に教える事の喜びを知った」「あなたの評価を得られるような教師になりたい」と訴える。
メアリーはジェーン・オースティンのセリフ「身勝手さは常に許されるべき。だって治る希望はないのだから」を引用して、キースに寛大な処置をしてくれる事に。
リライフ
クレムの方も気に入られ、契約が決定し、キースも教師としてクレムをサポートする事を約束する。
そして、新しい脚本「落ちぶれた脚本家が田舎の大学で教える話」のアイデアをエージェントに話すと大乗り気に…。
キースは講師の仕事に幸せを見出し、クレムは脚本家として世に出て、エージェントは才能豊かな新人を得る。
「見事な三方良し」に。
キースは売店にホリーを訪ね、復職の知らせと、遠回しに告白し、ホリーから遠回しにOKされる。
そしてホリーが学生の間は、プラトニックな関係であることを確認する二人。
キースは教室に戻り、授業を再開する。
途中電話が鳴るが、授業の邪魔だと切ってしまう。
画面には息子アレックスの名前が…。
完
感想
人生はいつからでもやり直せる!
見終わった。
何も考えずに見れる。時も場所も見る人も選ばない、とても見やすい映画だった。
主演のヒュー・グラント演じる軽薄な主人公の軽さが心地いい。
キースからポンポン飛び出す、イギリス出身らしい皮肉が効いてて、聞いてて楽しかった。
自分が口下手だから、ちょっと憧れる。
ホリーとの掛け合いは、漫才の様で聞いてて面白い。
よくある筋書き
教師が本職ではない職業の人間が、成り行きで教師の職に就いて、周りの人達との交流で変わり、相乗効果を生むというのはありふれたプロットと言える。残念ながらストーリー自体に目新しさはない。
キースの話が面白い
キースは饒舌で軽口が止まらない。
時にジョークが伝わらず、トラブルになることもあるが、元々ハリウッドを拠点にする脚本家だからか博識だし、映画や業界についての話が度々出てくる。
そしてそれも興味深い。
「ほぼ的確と的確は蛍の光と稲妻ほど違う」
—マーク・トウェイン
他には、
「11歳は天国に来るには最適な年齢だ。好きとか嫌いとか正直に言える年齢だから。長く生きると色々な妥協を強いられるものだけど、脚本を書くときは11歳に戻ってほしい。そして11歳の自分に言わせるんだ「これは面白い!」「馬鹿げてる!」と。」
「ハリウッドじゃどの企画会議でも敵を打ち負かす強い女を描けば大当たり。結果同じような映画だらけ。決まってマーシャルアーツの女達人がCGとスローモーションで男のケツを蹴り上げる。このご時世、新しい映画を作りたかったら強い女が出ない話にすれば良い。もっと言えば女がケツを蹴られる話なら最高だ!」
も最高だ。
甚だ同感である。
作中マット…デイモンやJK・ローリングなど実名が扱われている。
権利関係がどうなってるのか気になる。
ジェーン・オースティン
この映画で重要なキーワードとなるのが『高慢と偏見』などで知られるイギリス人女性作家、ジェーン・オースティン。
メアリーが大好きで、キースは、オースティンで危機に陥り、オースティンに救われる結果に。
『高慢と偏見』とは男女逆になってるのはが面白い。
偏見の塊だったキースに対して、オースティンファンで、『高慢と偏見』を熟読したであろうメアリーが、高慢ではなく、意外と物分かりが良かったことがこの映画のポイント。
同じくオースティン著の『分別と多感』も重要内な役割を果たす。
後半キースから温情を懇願されるメアリーが、自分はエリナー(慎重で用心深く保守的)に見られる事が多いが、マリアン(気まぐれで、衝動的で、時には不合理)の部分もあると言うシーンはこの映画一番の笑いポイントかもしれない。
潔さの勝利‼
登場人物は個性豊かな面々が揃っている。
- 父親からの愛情に飢えてる女子生徒
- 才能あふれる男子生徒
- 復学したシングルマザー
- いじめられっ子のスターウォーズオタク
- 1年間話してない別居中の息子
- お局教授
など。
それぞれにそれぞれの人生があるはずだ。
しかし色々手を付けた割には、それら全てが生煮え状態で放置されている。
良く言えば割愛。悪く言えば中途半端な状態で。
しかしそれが良かったのかもしれない。
それぞれを深堀してたら、とても時間内にまとまらなかっただろう。
どうせ畳めないなら、最初から風呂敷を広げないと言う潔さの勝利かも知れない。
人生はいつからでもやり直せる?
ホリーのセリフに、
私は『間違いの楽園』はセカンドチャンスを描いていると思うんです。いつからでもやり直せて再スタートが切れるんだと。
という物がある。
タイトルから見ても、これがこの映画で伝えたいメッセージで間違いないだろう。
作中に出てくる本『遅咲きの人々』によると、
- シルベスター・スタローンは元デリの店員
- ロドニー・デンジャーフィールド:元アルミ板のセールスマンから有名コメディアンに
- リアン・リックマンは映画初出演は42歳の時
- スーザン・ボイルはデビューは46歳の時
- ローラ・インガルス・ワイルダーは『大草原の小さな家』を65歳の時に書く
そうそうたる面子が人生の後半に天職見つけていてる。
この映画を見て得られた知見は、瓢箪から駒と言うか、自分の事を周りの人の方が正確に理解できていて、思いもしなかった場所で、自分でも思っていなかった才能が開花することもあると言う事なんだと思う。
だから食わず嫌いは損だと言う事。
キースが飛ばされたビンガムトンとは?
- ロサンゼルス市から北東に4432km
- ニューヨーク市から北西に277km
- 人口 は約47,000 人
- 名物料理はスピーディー
キース曰く、マリネして炭火焼きした、ビーフか、チキンか、ポークを挟んだサンドウィッチ
- 雨とくもりの多さで全米トップ10に入る
- アメリカ最古のメリーゴーランドがある
- ビンガムトン大学は北東部随一の公立大学
ハリウッドのある西海岸から東海岸へ移動するって事が正確に理解できない。
時差あるのだから、外国に行くみたいなものだったのかもしれない。
チラッと見た感じ、キースはヒュンダイ社に乗ってるようだ。
アメリカ人じゃないから分からないけど、好き好んで乗るような車ではないだろう。
ホリーのセリフも「この車種なら盗まれやしない」って言ってるし。
これはキースの置かれた状況の落差を表してるのかもしれない。
まとめ
これと言って欠点もないけど、特筆すべき美点も見当たらない映画だった。。
決してつまらなくはないし、悪くはないけど、ありふれたプロットを軽くなぞっただけの様で、既視感が半端ない。
ただ、ヒュー・グラントの魅力が一杯な映画だった。
彼のファンなら絶対に見るべきだと思う。
でもそうじゃなかったら、別に無理して見るような作品ではないかもしれない。
大好きだった米国ドラマ『ザ・ホワイトハウス』のクレッグ報道官が出てて、
出番は少なかったけど、久々に見れただけでも良かった。
見てたら脚本を書いてみたくなった。
もちろんいきなり長編は無理なので、ショートショートからだけど、いつかのブログで発表するかもしれない。
その時までお楽しみに。
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